八冊目。 予め断っておきますが限りなく胡散臭いです。
投資家の父より 息子への13の遺言
著:高橋 三千綱 電波社
図書館で借りたので帯はなかったのですが、帯ありだとアレです・・・
突っ込みどころ満載の大筋内容
- 100万円を2億円にするのは値上がりが2倍になる株を4回買うだけで良い!
1回目. 100万円で株価1000円の株を1000株(つまり現物100%)買う。
この株を担保に(!?)信用取引で2000株買う。(いきなり信用全力2階建!!!)
株価が2倍で利確すると400万円になる。
(反対に株価が一度でも2/3に落ちると元本が吹き飛び、借金コースに突入する)
2回目. 400万円で株価1000円の株を4000株買う。
この株を担保に信用取引で8000株買う。
株価が2倍で利確すると1600万円になる。
3回目. 1600万円で信用全力。2倍で利食いすると6400万円になる。
4回目. 6400万円で信用全力。2倍で利食いすると1億2800万円になるという寸法だ。
ご丁寧に2ページ程度割いて説明していてくれるのだが、机上の空論ではないとまで言っている。
なお、括弧内の解説は記載されていない。1~4回のどこで株価2/3を食らっても御破算。税金も考慮すると運悪く4回で届かないかもしれない。
- しかし意外にも基本的なルールを遵守
損切りは10%、ピラミッディングはするが、買い下がり、売り上がりのナンピンはしない。
トレンドに逆らわない。
相場で長年生きるため、ここだけは私自身もルールは固めておこうと思います。
- でもメインは自叙伝みたいな取引で儲かった的な内容があるぐらい
唯一勉強になったのは、日銀の短観が外国での参考材料にされているということと、
相場の景気サイクル 金融→業績→逆金融→逆業績 執筆時でいうと業績あたり?
残りは歴史的急騰(ヤフー・ガンホーなど)の大勝負に乗って、資産を莫大に増やすのに、トレーダー特有の一喜一憂が細かく描写されているぐらいです。投資歴が長いのは素晴らしいですが、このような大相場に乗った人でなければ、理解できない本と扱われるのがオチ。
この類の本は読まないつもりだったので、◯◯ノミクスで資産数倍モウカッタワーの他書と比較してませんが、参考になるかどうかのポイントは手法の再現性だと思います。
結果的に内容・手法は再現性も悪く、お金を出すレベルではないと思うので、見かけたら話の種に読む程度で十分と思います。芥川賞の受賞者らしいのですが、この本は読みやすいと思いませんでした。なにしろ13の遺言というタイトルをどこに終着させたいのかハッキリしませんでしたから。以下説明の引用
おまえに財産を残すことはない。この手記がその遺産だと思ってくれ。
これを教科書にしようが、ドブに捨てようがおまえの勝手だ。
・・・ドブでしょ! おわり。