七冊目。
仮想通貨革命 ビットコインは始まりにすぎない
著:野口悠紀雄 ダイヤモンド社
近頃話題のビットコインについての本を借りていたわけです。
ごく最近にもビットコインの取引所から盗難の被害が出ていますね。
ざっくりと内容
- ビットコインを軸に仮想通貨がもたらす技術的な革新
- ブロックチェーンについて
- 電子マネーとはどう違うのか
ビットコインを筆頭に現れてきた仮想通貨たち。日本でこの手の商品は大手取引所(マウントゴックス)の破綻、発行を管理する者がいないという今までにない概念の存在であるため怪しい。
仮想通貨自体が危険だと思われているが、1つの取引所が破綻したからといって通貨自体がハックされているわけではない。セキュリティとしては通貨をハックするよりも、マイニング(通貨を発掘)するほうが少ない労力で利益を得られるようにしたという点は面白い。
仮想通貨の存在を肯定的に見れば送金手数料の改革、既得権利みたいな業界に新しい流れをもたらすフィンテック(金融とテクノロジー)の発展に期待される。
本書の惜しむべき点として”○○については後述する。”といった表記が多く見られるため、もう少し構成を練ってあれば見やすい本となったのではないだろうか。
エムペサ(Mペサ)
ケニアと聞くと発展途上国のイメージを持つが、携帯会社(Safaricom)が提供している非接触型の決済サービスで、電話のSMSを利用した送金サービスがある。少額の送金に限られるがコストは安い。
受け取り手はSafaricomの取次店で受け取ることができるが、銀行の支店を設置することに比べると小回りが利き、広く普及する要因につながっているのだろう。
日本でもコンビニ各社が銀行業に参入など、利便性に対するニーズは向上し続けていくに違いない。
仮想通貨はなんとなく怪しいものとして関心が低かったが、依然として国際送金手数料は為替スプレッドを含めると非常に高いことに驚かされました。仮想通貨を使うことで、コストを劇的に下げることができるという技術は革命といっても過言ではないのかもしれませんね。
ただ、著者の言うように通貨としては変動が大きいため、持ち続けることは投機というのも納得します。
もしかしたら遠い将来には、国籍をもたない仮想通貨が基軸通貨と認められる日が来るのかもしれません。